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詩集

欣求浄土 厭離穢土


 
 

著者:石川 猛
発行:平成28年07月27日
発行:東田出版
印刷:東田印刷株式会社

 
 


 

愛媛新聞社コメント

命・感謝 僧侶の詩集

 
 新居浜 石川さん出版 95編収録
新居浜市在住の詩人で僧侶の石川猛さん(65)が自身の3作目となる詩集「欣求浄土 厭離穢土(ごんぐじょうど おんりえど)」を出版した。
 書名は浄土教思想の特質を表す仏語で、石川さんは「いいものを見つめて、よりよく生きる」と解釈する。日頃から書きためていた何気ない一言を、一年かけて95編の詩に紡いだ。ゆえに今作の一編一編を、小品を意味するバガテル(詩片)と呼ぶ。
 「さわらなくても/花弁はひらく/ゆすらなくても/果実はおちる」。「無情」と題する作品は詩集の中核をなす一編。命の尊さ、ものごとへの感謝、人の業などを僧侶の五感でとらえ「今の自分のありのままの姿を言葉にした」(石川さん)。生活に密着した仏教思想が全編に流れ、日常からこぼれ落ちた楽想のような響きを奏でる。
 石川さんは市内のパコダ幼稚園で園長を務める。詩人徳永民平氏(故人)の指導で高校時代から詩作を始め、大学時代は会田綱雄氏(同)に師事した。その影響から詩文の行を尻ぞろえにした。「ぺんぺん草型」と呼んでおり、装丁にもこだわった一冊となった。
 東田出版(新居浜市)刊、2千円。